なぜ模写ができると絵の上達が早くなるのか?

模写が上達を早める理由

記事のポイント

  • 「模写ができない = 思い込みで描いている」ということ
  • 思い込みで知識は身につかない
  • 最初は簡単なイラストから模写しよう

絵が上手い人はよく「絵が上手くなりたいなら模写をしろ」と言います。

僕もこれには同じ意見ですが、絵をはじめたばかりの初心者には「模写って何を?」「なんで模写なの?」「模写しかできない人にはなりたくない…」など疑念が浮かびます…

そもそもどうして「模写」が上達に良いのか? 模写について解説する人はたくさんいますが、実はこの部分をちゃんと突き詰めて理解している人は少ないです。

なので今回は、超初心者向けに「どうして模写が絵の上達に役立つのか?」を解説したいと思います。

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しのさん

無我夢中で模写してた人も、この記事読んで「模写ってなんなの?」を理解すればより上達が早まるはず。

そもそも模写ってなんだよ

模写とは、目の前の写真やイラストを紙に描き写す行為です。

模写

完璧に描き写しても模写だし、全然似てなくても模写です。「描き写すこと」そのものを指すので、描き写そうという意思があればそれは模写なのです。

ちなみに模写には色も含めた模写と線だけの模写がありますが、初心者のうちは線だけで良いです。これ以降でこの記事で使う「模写」という言葉は、全て色は塗らない線オンリーの模写を指します。

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ばってん子

デッサンとは違うのですか。

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しのさん

良い質問ですね。全然違うぞ。

  • デッサンは3次元の物を観察して紙に描き写すこと。
  • 模写は2次元の物を観察して紙に描き写すこと。

当然2次元より3次元のほうが情報量が多いのでデッサンのほうが難しいです。

ただ「描き写す」という行為自体には差がないため、ある意味同じだと言っても良いかもしれません。

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ばってん子

どっちだよ。

デッサンより模写を勧める理由

ではなぜ、デッサンよりも簡単な模写を勧めるのか?

デッサンは難しすぎて挫折ポイントになりがちだからです。そもそも箱とかボールとか描いてもつまらなくない…? それに箱とかボールとか用意するのも面倒だし、石膏なんか買わないといけないじゃん…? 置き場所にも困るし。

だから初心者はより簡単な模写からはじめましょう。

原理的にはデッサンと変わらないので、「デッサンは役に立つけど、模写は役に立たない」なんてことありません。

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しのさん

実際デッサンやらずにプロになる人もいるしへーきへーき。

模写ができないと、絵の上達が遅くなる?

模写がデッサンより初心者向きなのはわかったけど、本当に上達するの?という疑問もあるでしょう。僕は模写して上達したので、経験則的にも「上達する」と言えますが、そこにはちゃんと上達する仕組みがあります。

わかりやすく話すと、模写ができると上達するというより、模写ができないと上達しづらいのです。

模写が下手 = 思い込みで描いている状態

模写をしたことがない人は「模写なんて簡単」と思いがちですが、「目の前にあるものを描き写す」って実はめちゃくちゃ難しいです。

模写をするってどういうことかというと、線の長さや角度やパーツ毎の間隔など細かい部分一つ一つを元の絵(写真)と全く同じように描くということ。これは想像以上に神経を使う作業です。

普段、私達は自分が思っているほど目の前のものを見てません。人間は脳の負担を減らすため、興味のない部分は曖昧な記憶や思い込みでカバーする癖があります。子供は顔を丸で表現することが多いですが、それはそういう思い込みがあるからです。

模写はそういう思い込みを減らして、どうすればより説得力のある表現ができるか考えるきっかけになります。

模写が苦手だと、知識に繋がらない

模写ができないとさらに困ったことがあります。知識が知識として頭の中に入っていかないのです。

上達するからには、ある程度のリアルさの追求は避けて通れません。リアルな絵=評価される絵ではありませんが、明らかに本来の人体構造を逸脱した絵は「下手」と思われがちです。いかにもな二次元キャラだって、陰影やパースなどの表現次第では「凄みのある絵」に変わります。

ところが、模写ができない人はそういう「リアルに描くための知識」が中々頭に入っていきません。

なぜかというと、模写ができない人は筋肉の形や陰影の描写すらちゃんと理解できないからです。

さっきも話した通り「模写ができない = 思い込みで描こうとしている」です。思い込みの強い人が人体構造の本を見ても、それすら思い込みに邪魔されるので正確な知識に繋がりません。だから模写はできるに越したことないわけです。

模写が苦手だと、真似できない

模写ができないと困ることはまだあります。上手い人の絵を真似することができないのです。

イラストの中には「リアルじゃないけど可愛い」タイプの絵もたくさんあります。僕のアイコンとかモロそのタイプですね。

しのさん

こういう絵は、知識よりも「上手い人の技術を真似する」ことが必要ですが、模写ができない人はこれも上手くできません。

一見簡単に描けそうなデフォルメのイラストも、実は「目の位置」「顔の形」「顔と身体の比率」など絶妙なバランスで成り立っています。配色や構図も適当に描けばいいわけじゃありません。

思い込みで絵を描く人は、そういう技術を理解することが難しいので、これも絵の上達が遅い原因になります。

何を模写すれば良いのか?

模写が大切なことがわかっていただけたでしょうか? というわけでみんな、模写をしよう!

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ばってん子

しかし何を模写すればいいのかがわからない…

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しのさん

僕のオススメは、好きなイラストです。

いきなり写真とか模写しようとしても難しいですし、上手くいかないので面白くありません。最初は「簡単なイラスト」、特に好きなイラストレーターの絵をたくさん模写しましょう。色は塗らなくて良いので、見様見真似で線を引いてみてください。

やり方は簡単。まず好きなイラストを用意。スマホに表示させてもPCに表示させても良いです。

しのさん

紙でもデジタルでもなんでも良いので、なるべくそっくりになるよう元の絵を見ながら線を引きます。この絵は一部線がありませんが、色の違う部分を境界線として真似しましょう。

模写

自分で描いたイラストなのにところどころ似てないのが嘆かわしい…

まぁ完璧に描けなくても良いのです…!「今まで全然観察出来てなかったんだな…」と知るだけでも成長です!無知の知的な。

模写ばっかやってると模写しかできない人になる?

「模写ばかりしてると、模写しかできない人になるのでは?」と心配してしまう方もいるかと思います。「模写絵師」なんて言葉が出るくらいですから、そう思ってしまうのも無理はありません…

ただ結論から言うと、模写しかできない人になるのは模写しかやらないからです。模写はあくまで基礎練習の一つなので、それを理解せずひたすら模写ばかりやれば、そうなってしまうかもしれませんね。

でも模写ができること自体は一つの画力の証でもあるので、あとはオリジナルの絵を描こうと努力すれば良いだけの話です。

以上、まとめるとこうです。

まとめ

  • 「模写ができない = 思い込みで描いている」ということ
  • 思い込みで知識は身につかない
  • 最初は簡単なイラストから模写しよう

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しのさん

最初は難しいと思うけど、毎日一つずつで良いから続けてみてほしい。

8 COMMENTS

匿名

リニュアルに合わせてしのさんとばってん子ちゃんのアイコンも大胆に変えましたね
「どっちだよ。」っていうばってん子ちゃんの突っ込みが面白かったw

思い込みを排して見本のまま写すのはなかなかに難しいのですが、
苦労してそれなりに似せることが出来ると達成感ありますね。
最近だと写真とかリアル系の絵の模写ばかりになっている感じなので
たまには強デフォルメの効いた可愛らしい絵も写してみようかなと思いました。

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藤依しの

ありがとうございます!
ブログ全体のまとまり感を意識してアイコンを変えてみました(笑)

思い込みを修正するのは大変ですけど、模写を続けてじっくり観察する癖をつければ少しずつ治っていくはずです。
デフォルメが効いた絵を模写してもバランスを考える力は鍛えられるので、写真が難しいと感じるならオススメですね!

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オットセイ

会社辞めてからはイラストの収入だけで生活している感じですか?
記事と関係なくてすみません。

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木月サト

僕は顔だけ、表情を描くのが上手な人の模写を一か月ほど行いました。
結果、表情を幅広く描くことができるようになり、絵幅が広がったように思っています。

模写は本当にいい練習方法だなと思いました。

ただ、表情の練習しかしてこなかったので、身体がガタガタなんですよね…。
次は、身体を模写しないとなと思ってます。
模写でインプットできると、実際に描くときのアウトプットが楽でいいですね。
実際にやってみてわかりました。

良い記事をありがとうございます!

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藤依しの

模写すると、上手い人の絵を見た時により色んなことに気付けるし、自分で絵を描く時にも資料を上手く活かせるようになるので良いですよね。
身体の練習、がんばってください…!

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Aやか

はじめまして。
ちょっと変な質問になって申し訳ないのですが、模写は漫画やゲームのイラストではなく、ルーミスなどの教本に載っている簡単な裸の素体のみでもちゃんと実力になるでしょうか?
今ちょっと自分の好きな絵柄がよくわからなくなっていて、完成されたイラストを模写しようとしても途中で好きじゃないところに気づいたりしてやめてしまうことが多いです。リアル系かデフォルメ系に行きたいのかもよくわからない、でも絵は描きたいという妙な状態なので、とりあえず潰しの効きそうな?素体の模写やクロッキーをしています。
正直そっちの方が楽しいと感じることもあります。
ただ髪や顔、服が描いていないので遠回りに感じるような気もします…
無理やりにでも完成形のイラストを模写した方がいいんでしょうか?

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藤依しの

Aやかさん、コメントありがとうございます!

質問への回答は「何を模写しても良い」です。
記事で「おすすめはイラストの模写」と言ったのは、そのほうが楽しいと感じる人が多いと予想したからであって、素体の模写が楽しいと感じるならそれでも大丈夫です!

ちなみに「髪・顔・服」も模写しないと、上手くはなれないのか?ということについて。
模写は手を動かす作業なので、当然描いた物は多少は記憶に残ります。ただ、それはあくまで一時的な記憶であって、「ちゃんと構造から考えて自分で組み立てた」という「オリジナルのイラストを描く」経験には全く及びません。
つまり、「模写練習」においては別に髪や顔は描かなくても大丈夫です。

もしイラストで「髪・顔・服」が描けないと感じたら、模写ではなく髪のメイキングや顔の構造などを調べ、自分で組み立てる練習をしましょう。模写はあくまで観察する力を磨くための練習なので、そこを間違えると中々上達できなくなります…

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