一日一絵が初心者の上達を妨げる理由

一日一絵のデメリット

絵を上達させるために、とにかく回転率を上げようと『一日一絵』をはじめる人がいます。

「一週間で1枚描くよりも7枚描いたほうが、たくさんの経験ができて早く上達するはずだ」という理屈です。これは一見説得力がありますが、この際はっきり言いましょう。

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しのさん

初心者が『一日一絵』を続けても上達が遠のくだけです…!

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ばってん子

なぜでしょうか?多く描いたほうが上達が早いのはその通りだと思うのですが。

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それはあくまで「怠けてゆっくり描くよりは、毎日集中してたくさん描いたほうが良い」というだけの話です。

「一週間かけて一枚描くより、一日一枚を7回繰り返したほうが上達に繋がりやすい」ということはありません。むしろ、初心者にとっては『一日という時間制限』が上達を妨げる可能性すらあるのです…!

というわけで、この記事では『一日一絵』のデメリットとメリットについて正しく解説していきます。

一日一絵のデメリット

初心者にとってなぜ『一日一絵』が良くないのかというと、上達を妨げる負のスパイラルに陥る可能性があるからです。

具体的にどういうことか説明していきます。

丁寧さを欠く

『一日一絵』をやるからには一日で完成させないといけません。なので一日一絵を決意した瞬間、あなたの目的は「イラストを一日で完成させること」になります。

あるいは普段学校や会社で忙しいなら、「数時間で完成させること」が目的になるかもしれませんね。

途中で投げずにちゃんと完成させることは良いことですが、問題は時間制限があるところです。

時間制限があると焦りが生まれ、丁寧さを欠きます。

困ったことに、絵の下手な人は『丁寧さ』なしには上達できません。
なぜなら、実物や上手い絵から学ぶにはじっくり観察することが必要なのに、丁寧に描けない人はじっくり観察することが苦手だからです。

なので、時間制限のある『一日一絵』は、初心者が上達する練習には向かないのです。

知識や手法の習得を避けがち

絵を上達させるということは、自分の知らない知識や手法を学ぶということです。

これはただひたすら絵を描いても中々学べません。知らないことを調べたり、失敗覚悟で試したりすることが必要です。

ところが『一日一絵』をやろうとすると、とにかく絵を完成させることを優先してしまい、そういった知識の習得を避けがちです。

こうなると『自分なりのやり方で描き続けること』しかできなくなり、上達は遅くなります。

面倒な作業を省きがち

基礎知識だけで絵は描けません。

複雑な身体の動きや服のシワを正確に描きたいなら、写真や実物を観察することも必要だし、デザイナーじゃない人がかっこいいファッションをまとったイラストを描くにはプロのデザインを参考にしなければいけません。

しかし『一日一絵』を達成しようと毎日奮闘している人は、資料を集めたり何かを参考にしたり、そういう手間と時間がかかる作業を省きがちです。

これも『自分なりのやり方で描き続けること』に繋がってしまうので、現状下手だと自覚しているなら、そこから抜け出すことはできません。

一日一絵のメリット

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しのさん

つまりですね、『一日一絵』は『一日という制限』が上達を妨げるわけです。ここまで大丈夫でしょうか?

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ばってん子

しかしそれなりに流行っている現状を見ると、やはりメリットもあるんじゃないでしょうか?

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しのさん

もちろんメリットもあります。というか『上達』を目的にしないならやっても良いと思います。

というわけで『一日一絵』のメリットがこちら。

snsで評価されやすくなる

頻繁に絵をアップすれば当然人の目にとまりやすくなります。定期的に上げれば固定ファンもつきやすくなりますね。

フォロワーが少ない状態では、頑張って完成度の高い絵を描いても拡散されづらいので、フォロワーを増やす目的であれば『一日一絵』は非常に有効です。

指定期間内で絵を仕上げる練習になる

頻繁に依頼を受けていて、完成度は申し分ないが時間がかかってしまうという悩みがあるなら、やるべきだと思います。

『一日』という制限をかけることで、「どうすればクオリティを維持したまま時間を短縮できるか?」を考えることができるからです。

ただ、これは『すでにクオリティの高い絵を安定して描ける人』に限った話です。

初心者がこれをやっても、『クオリティの低い絵を短時間で仕上げる練習』にしかなりません。

絵はたくさん描けば良いというものでもない

というわけで、『一日一絵』はメリットもあるけど初心者にはデメリットが多いという話でした。

というかそもそも、『絵は描けば描くだけ上達する』というのが間違いなのです。
独学で練習しているとわかりますが、描いても描いても上手くならないことのほうが多いし、上手くできたと思いきや急に下手になったりすることもあります。

絵を上達させるためには『たくさん描く』という経験も重要ですが、それ以上に『自分に足りないものを一つずつ学んでいく』という途方もない作業が必要です。
無我夢中で描けば勝手に上達するほど単純ではありません。

これを理解していない人は、勝手に絶望して再起不能になる可能性があるので注意です。

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以上、『一日一絵』についての話でした。

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