模写におけるアタリの取り方 コツは縦と横のラインに注目すること!

模写におけるアタリの取り方

初心者にとってとっつきやすい練習が、写真やポーズ集の模写です。

人間の身体の比率やポーズを分析しながら、正確に模写をすることで、観察力と知識が同時に鍛えられます。

観察力が付けば初めて描くものでも資料を元に描くことができますし、知識があればオリジナルのポーズを組むのが楽になるわけですね!

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しの

まぁいくら『簡単』と言っても「デッサンに比べて楽」なだけで、初心者にとっては苦労することも多いのですが

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ばってん子

結局苦労するのか…

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しの

なので、今回は少しでも『人物の模写』を楽にするため、『模写におけるアタリの取り方』について話します!

アタリとは何か?

よく、下書きの前にこんな感じの棒人間を描く人がいます。

よくある棒人間

初心者の人は、この棒人間を『アタリ』だと思ってください。
どうして棒人間を最初に描くのかというと、違和感の少ない絵を描くためです。

棒人間の段階でどう見えるかを確認しておけば、描き込んだあとに「なんかポーズおかしくね?」と書き直す可能性が減ります。

模写においても、最初にアタリを描くことで違和感を減らすことができるので、模写ができない人はアタリを描いてみるのが良いですね。

ただ一つ注意点があります。いくら棒人間が大切だからといって…

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ばってん子

じゃあさっそく棒人間を…

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しの

となってはいけません!!

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ばってん子

棒人間を描けば上手くなるんじゃなかったのでは!?

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しの

それはそうなんですが、絵における棒人間は、落書きのような棒人間とは違う点に注意です!

顔・身体・足の向き、背骨の動き、肩と腰のライン、関節から関節までの比率を意識することができて、はじめて『アタリ』と呼べるのです…!

なのでまずは、正しいアタリの取り方を学ぶ必要があるわけですね。

アタリの取り方

というわけで、ここからは正しいアタリ取り方を説明していきます。

いきなり複雑なポーズやパースの効いた写真とか模写しようとしても、覚えることが多すぎて難しいので、最初は『立ちポーズ』『手』『足』『顔』あたりからやってみましょう!

今回は、立ちポーズにしぼってアタリのとり方を解説していきます。

①全身の流れを描く

いきなり細部から描き始めてしまうと、身体全体が斜めったり、一部だけ極端に大きくなってしまいます。

これを避けるため、まずは全身の流れを描きましょう!

全身の流れ

ポイントは横と縦のラインを見ることです。

縦のラインは、頭・背骨・足の動き指し
横のラインは肩・腰・膝~かかとの動きを表します。

この2つを把握することで、初心者にありがちな宙吊りのようなポーズを解消し、重心の感じられる表現ができるようになります。

正面であれば横のライン、横向きの画像であれば縦のラインを重視すると描きやすいでしょう。

骨の動きを描く

全身の流れを捉えたら、次は骨の動きを考えます。

骨の動き

これをすることで、堅苦しくない身体のしなやかさを感じられるポーズを描きやすくなります。

手や足の骨は、思っている以上に複雑なカーブを描いているので、これを理解しているかどうかで、ポーズの説得力が変わります。

初心者には難しいですが、骨の形を調べながら描くことで『イラストに使えるアタリ』というものがわかってくるはずです!

③手足・顔の向きを描く

ここまでできたらあとは仕上げです。
最後に手足・顔の向きを描きます。

手足の動き

ここはそれほど複雑でもないので、模写の場合は省いても良いかもしれませんね。

ただ、つま先の向きはちょっとした描き方の差でポーズに違和感が出たりするので、注意してください。

肉付けのやり方

ついでに肉付けのやり方についても少し話しておきます。

とはいっても肉付けのやり方は人それぞれですが…
筋肉の構造から描く人もいるし、ブロックのように考える人もいますね。

ただどんなやり方をするにせよ、模写をするなら『アウトライン』に注意したいです。

アウトライン

腕のラインや腰の太さなど『アウトライン』が正しければ、細部が間違っていてもそれなりに見えます。

そして実際のところ、絵を描く時にはこの『それなりに見せる』という工夫が重要だったりするのです。(配色や構図も「パッと見よく見える」かどうかは大切)

たとえ筋肉の構造を覚えるために模写しているとしても、まずは、外側の線が合っているかを確認しましょう!

一番目立つ外側の線すら正確に模写できない状態では、正しい筋肉の構造を理解するのは難しいですからね。

難しい場合は、トレースを応用する

ここまでアタリの描き方を説明してきましたが、初心者にとっては「それでもアタリが上手く描けない!」という可能性はあります…

上手くアタリを描くには、それなりの観察力が必要ですからね。

しかし心配する必要はありません。そんな人のための解決策があります!
『トレースのように透過し、その上からアタリを描く』という方法ですね!

これなら、目で見るよりもはるかに正確にアタリを取ることができます。

「トレースしたら意味ないんじゃ?」と思われるかもしれないですが、ちゃんと意味はあります。
アタリを取るということは『元の絵にないものを描く』ということだからです。

トレースは「元の絵をなぞるだけ」であるから学べるものが少ないのであって、自分で考える余地を作れば上達効果は上がるのです!

とはいえ、普通に模写するよりは考える機会は減るので、アタリの取り方だけわかったら模写に戻るのが良いと思いますね。

アタリは普通に絵を描く時にも使える!

この記事では『模写に使えるアタリの取り方』を説明してきましたが、このアタリは当然イラストを描く際にも使えます!

使わないと描けないわけではありませんが、ポーズを取らせやすくなるので、ポーズを描くのが苦手ならばぜひ使ってみましょう。

イラストに使うときは、ポーズ集などを見ながらアタリを描き、そのアタリを元に肉付けするのが良いですね。

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しの

いきなり想像でポーズ描こうとすると、大体失敗するので…

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ばってん子

経験者は語る…

というわけで、アタリの取り方についての話でした!
模写に苦労しているなら、意識してみると変わると思います。

2 COMMENTS

雪月風花

棒人間を書いてからアウトラインを書いたほうがいいですかね?
本サイトをいつも参考にしております

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藤依しの

ありがとうございます!
そのやり方に慣れておくと、安定感は増します。
棒人間の描き方はアニメーターの方などを参考にするとわかりやすいかもしれません。

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