ネガティブスペースドローイングって知ってますか?
こんな感じで、人物の輪郭だけを捉えて模写する、絵の練習法です。
もはやお馴染み、ポーズマニアックスというサイトで紹介されている練習ですね。
参考 ポーズマニアックスhttp://www.posemaniacs.comサイトによれば『ネガティブ・スペース・ドローイングは、30秒ドローイングと並んで有名』ならしいですが、ただ輪郭を模写するだけで絵の上達なんて本当にできるのでしょうか?
中には「怪しい」と思っている人もいそうですね。
というわけで、今回は『ネガティブスペースドローイング』について、具体的な効果と意味について真面目に考えていきます
考察記事ばっかですまん…
目次
「右脳を鍛える」系の説明は忘れて良い
まず、『ネガティブスペースドローイングの効果』について、よくある説明がこれです。
「ネガティブスペースドローイングにより、左脳による画像の言語化を排除し、直感的に人物を捉え右脳を鍛えることができる」
いかにもな感じな説明ですね。
しかし、今回はこういう『右脳を鍛える~』みたいな説明は忘れてください。
この説明の何が悪いのかというと、まるで「ネガティブスペースドローイングを続けていれば、意識せずとも水面下で右脳がメキメキと力を付け、ある日突然開花する」かのような印象を与えてしまうのが問題です…
残念ながらそんな都合よくいきません!
そもそも、絵の練習においてもっとも効率が悪いのが「がむしゃらに同じことを続ける」という練習です。
そうではなくて、賢い人は「描くたびに反省し、その都度改善する」ような練習法を選びます。だからどんどん上手くなるのです。
この話は『30秒ドローイングについての考察』でもしましたね。
30秒ドローイングは効果がない!? なぜ上達できないのか解説「右脳うんぬん」の説明を信じている人は、この罠に陥りやすいので注意してください。
そもそも「右脳を鍛えればクリエイティブになる」こと自体否定している科学者もいますし…
そんなわけでこの記事では、『右脳』みたいな曖昧なワードは使わず、もっと具体的な効果について考えます。
ネガティブスペースドローイングの本当の効果
右脳については色々言いましたが、一方で『ネガティブスペースドローイング』自体は、僕は一定の効果があると思っています。
ネガティブスペースドローイングは、人物の輪郭を捉えて模写する練習ですが、実はこの『輪郭を捉える』という行為が、模写自体を上達させるのにとても役に立つのです。
まず第一に、絵を描き始めたばかりの人は基本的に模写ができません。
どの位置からどの方向にどのくらいの長さ線が伸びていて、線同士がどのくらいの間隔を空けて配置されているかを正確に見ることができないからです。
個々のパーツの位置や形がわからないので、結果的に全体のバランスもめちゃくちゃになります。
それを矯正する方法の一つが、『先に全体に気を配る』というものです。
まずは細かいパーツを無視し、一番外側の輪郭や主要なパーツの位置だけを正確に写すのです。
最初にこれをやることで、目や鼻などの小さなパーツがずれてしまっても、全体としては整った印象になりやすいです。
たとえば僕が描いた模写、筋肉の細かい動きはおろか、顔すら描いてないですが、それなりに模写できているように見えるはずです。
これは全体のバランスがある程度正確だからなんですね。
ネガティブスペースドローイングは、理解してか偶然かこの考え方にアプローチできているので、模写に必要な観察力を磨くことに繋がるわけです。
ちなみに、単純に集中力を磨くという点においても、効果が見込めるはずなので『ネガティブスペースドローイング』自体はそれなりに役に立つと見て良いでしょう。
ネガティブスペースドローイングをやる際の注意点
というわけで、ネガティブスペースドローイングにも一応は効果があるのですが、「必ずやるべき!」とは思ってないですし、やるにしてもいくつか注意点があります!
ポーズマニアックスには、「言語で意識せず〜」とか「紙を見ないで〜」とか注意書きが書いてありますが、それは忘れてください。
もし本当に上手くなりたいと思うなら、次のことを意識したほうが良いです。
直感で描くな
もう一度言いますが、ネガティブスペースドローイングは『右脳を鍛える練習』ではなく『正確に見るための練習』です。
『直感的に見たまま描く』なんてことしないでください。観察力がない初心者が見たままに描こうとしても、子供の落書きにしかなりません。
そんなアバウトな描き方ではなく、もっと厳密に『線がどこからどこへどれくらいの角度でどのくらいの長さ伸びているのか』『線と線同士がどれくらい離れているか』頭が痛くなるくらい真剣に見つめ、描いた線と元の画像を比べてどこが描けていないかを考えて下さい。
観察力はそうやって鍛えるものです。
絵の上手い人が直感的に見たまま描いているように見えるのは、そういった複雑な動作を本人が意識しないほど自然に素早く行っているからです。
素人に真似できない動きを難なくこなすスポーツ選手と同じですね。
決して特別右脳が発達しているだとか、右脳を鍛える練習をしてきたとかそういうことではありません!
時間制限をつけるな
早く描くぶんには良いのですが、質より量を取るような描き方はやめたほうが良いです。
なぜかというと、質より量を取る人は、『考えて反省し改善する』というプロセスを省きやすいからです。
最初に話したとおり、絵はがむしゃらに量をこなしても上達していかないものなので、時間制限は付けず今出せる最大限の力で、できるだけ正確に模写するよう心がけるべきです。
個人的には5分~10分程度で一つ模写するくらいのペースがちょうど良いと思いますね。
上手くなるのは模写だけ
勘違いして欲しくないのですが、僕は一貫して『絵が上手くなる』ではなく『模写が上手くなる』としか言ってません。
ネガティブスペースドローイングだけを何日も続けても、オリジナルの絵が上手くなるわけじゃない点に注意してください。
ただ、模写が上手くなれば間接的にオリジナルの絵も上手くなります。
どういうことかというと、模写ができるということは、見ているものを正確に捉えられているということなんですね。
ということは、模写ができれば資料を正確に写したり、プロの絵を分析するのが上手くなります。
あとはそれをオリジナルの絵に活かせば、上手い絵に近づけることができるわけです。
ネガティブスペースドローイングは模写ができない時にやろう!
そんなわけで、個人的にはそんなに悪い練習ではないと思った『ネガティブスペースドローイング』でした。
初心者向けの練習としては良い感じですね
とはいえこれだけやるのはつまらないので、「模写が難しいと思ったらやる」程度で良いかなと思います。模写ができるなら特にやる必要ないですしね
絵の練習は色々あって何をすれば良いのか迷いがちですが、『自分にできてないこと』を中心に考えれば、少しは道がひらけてくるのかなと思います。
ではまた!
脳の右側で描けを購入して、ネガスペースのトレーニングの章を読んでどのようなコンセプトなのか、どんな意識を獲得することを目指したものかきちんと理解してから判断なさった方がいいと思いますよ
役に立つか立たないかの情報を流布するのはその後でするべきことではないでしょうか
その本は読んでいないので、購入したらレビュー記事を書いてみたいと思います。
情報ありがとうございました。
脳の右側で描けを読んでも今まで否定してきたこと覆してアップデートできなさそう・・・
脳の右側で描けではネガスペースについて「そこにあるものを描写するために、そこにないものを見て描く」と書いてあります。
そして目の前にあるものを見て描くための練習
です。
それなのにこの記事ではなんの科学的根拠もなく自分の経験だけで否定していて意味不明です。
主「そもそも「右脳を鍛えればクリエイティブになる」こと自体否定している科学者もいますし…」その内容を否定している科学者が誰なのか、その理由も説明せずになぜ否定から入るのでしょうか。
主右『脳を鍛える練習』ではなく『正確に見るための練習』です。
正確に見るから右脳が働いていて、右脳が働いているから正確に見れるんですよ。