二次創作のメイキング解説するよ

二次創作の解説

今回は二次創作です。正直タイトルが思いつかなかった…。まぁとにかく、前回同様「細かい技術」より「考え方」を中心に解説します。

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しのさん

いや、解説というか反省かもしれない。

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ばってん子

失敗を繰り返し進むのよ。

というわけで今回描いたのはこちら。

紲星あかり

全く面影ないですがボイスロイドの「紲星(きずな)あかり」ちゃんです。なんでこういう雰囲気で描いてしまったのかなども話していくので、今は何も言わないでほしい。

描く前の準備

イラストの雰囲気を決める

一枚絵を描く時は、まず最初に「イラストをどういう雰囲気にしたいか」決めます。かっこいいか可愛いか、明るいか暗いか、温かいか冷たいか、雰囲気によってポーズやモチーフも変わってくるので、この工程は大切ですね。

今回描く予定の「紲星あかり」はオレンジ系を中心とした暖色系の配色なので、明るく元気な印象があります。

紲星あかり公式
https://www.ah-soft.com/voiceroid/akari/

普段なら、元絵から読み取れる雰囲気をどれだけ上手く再現するかに力を入れるところですが、画像検索で他の方も似たような雰囲気のイラストをたくさん描いていることがわかったので、あえて真逆の雰囲気を目指すことにしました。

僕は反応を得やすい二次創作のコツは2つあると思っていて、一つが「自分の感じた元キャラの良さを精一杯表現する」で、もう一つが「こういうのもありだよねという新しい発想を提供する」です。今回は後者ですね。

というわけで、青系を中心にオレンジを差し色とした、清楚な雰囲気でいきます。

資料を集める

方向性が決まったら資料を集めましょう。集めるのはこれです。

  • 紲星あかりの参考画像
  • 清楚な雰囲気のイラスト
  • ポーズ資料
  • 服の資料(パーカー・ワンピースなど)

大体はgoogle検索で集めますが、pinterestやpixivの絵も参考にします。

保存するとフォルダ整理が面倒なので、僕は「紲星あかり」みたいなワードで検索した結果をブラウザで開いたままにしてますね。

二次創作の場合はまず大事なのが「対象キャラの画像」です。

元のイラストだけでなく、他の方が描いた二次創作イラストなども参考にすれば、「ここのパーツどうなってんだよ…」みたいな疑問を解消することができて描くのが楽になります。

ちなみにあかりちゃんの場合は、前髪あたりに連なった謎の丸パーツがありますが、色々考えた結果これは前髪をおさえるためのヘアピンではなく頭に取り付ける謎のアクセサリーだと理解しました。

謎のパーツ

なので今回のイラストでは目立つよう大きめに描いてます。

そして次に重要なのが、雰囲気の参考となるイラストです。これはgoogle検索よりpinterestやpixivなどを使ったほうが見つけやすいかもしれません。普段から好きそうな絵はブックマークしていれば、見つけるのが楽になると思います。

「こういう絵を描こう」という具体的なイメージが掴めるまで探しましょう。

あかりちゃんは垂れ下がった長い三編みがトレードマークなので、長い髪を生かした絵が参考になりそうです。

あとはポーズ資料や服の資料ですが、これは描きながらでもいいでしょう。先に集めてもどうせあとで追加で必要になるので。

ラフ

構図ラフを描く

どういう絵が描きたいか決まったら、早速ラフを描いていきます。

今回は落ち着いた雰囲気にしたかったので手は胸の前で合わせ、髪を大きくなびかせた感じにしたいので、まずはそれっぽいのを描きます。

最初のラフ

この時点では骨格は無視です。左右反転した時の違和感も気にしません。

ただ、長い三編みの関係上、正面だと左右のバランスを整えるのが面倒な気がしたので、斜めを向いている感じに変えました。

斜めを向いているラフ

構図のためのラフなので、軽く背景も入れています。背景の有無で見栄えは変わるので、最初からどこに何を入れるかある程度考えておくことをオススメします。

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しのさん

何となく雰囲気が出てきたと思うので次に進みます。

色ラフを描く

次に、色を塗っていきます。

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ばってん子

この雑な状態で色を塗るのか…

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しのさん

雑でも塗っとくとイメージを決めやすくて便利なのです。

色ラフを描かずに進めていくと、塗ったあとで「あれ?この辺なんか寂しいな…」みたいなことがよくあります。

そういう時は「寂しい部分に目立つ色を置く」「構図自体を変える」ことで解決できますが、線画を描いてから変更するのって結構面倒です。

なので、僕は先に配色して見栄えを確認します。というわけで塗ったのがこちら。

色を付けたラフ

今回は青系を中心にしたかったので、影の色を紫にしています。また構図の時曖昧だった背景を、この時点で「蝶」にすることにしました。なんで蝶にしたのかはぶっちゃけよくわかりません。なんかパッと思いついた。

ちなみに今回の1つ目の反省点がこの色ラフです。後で詳しく話しますが、流石に雑すぎました…

清書

下書きを描く

次に下書きです。

ラフがよくできている時は、ここは飛ばすこともありますが、今回ラフが雑すぎるのでちゃんと下書きして形を整えます。

下書き

コツは…なんでしょうかね。

髪に躍動感があると良い気がしたのでふわっとした流れを意識したのと、全体のシルエットがひし形に近いとまとまった感じになりそうな気がしたので、そうなるよう整えたことでしょうか。

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しのさん

そういえば前回、髪の流れはどうやって決めているのか質問されたのでちょっとだけ答えます。

僕は髪の毛を描く時なるべく「内側にくるんとカーブさせること」を意識して描いています。

もちろん髪型によっては外にはねたり風で上に上がったりしますが、僕の絵は毛先の一部が内側に向かって動いていることが多いです。これが正しいというわけではないのですが、「全部はねさせる」よりも「一部は内側に動かす」ことで自然な感じが出やすい気がしています。

ただ、ぶっちゃけ髪の毛上手く描けてると思ってないので、そのうち変えるかもしれません。今はそう描いているというだけの話です。

下塗りする

いつもなら下書きの後は線画にしているのですが、今回はポーズに不安があったので先に色を塗ることにしました。

特に不安を感じたのは「髪の毛」です。三編みの形に集中しすぎて、ラフの時の「流れ」が堅苦しくなってしまう気がしたので、先に色を塗ってある程度形を整えました。

下塗り

何となく曖昧だった身体のポーズも、これで正しいかどうか確認できることもあります。ポーズの見栄えを重視する人はやってみるといいかもしれません。

そしてできたのがこれです。

下塗り

より完成図が見えてきた気がしますね。ちなみに背景の色は塗りやすくするため一時的に色を変えてます。

クリップスタジオなら「サブビュー」が便利

ちなみにクリップスタジオを使っている場合、便利な機能があります。

「サブビュー」です。

まず一度色ラフの複製を保存し、こちらの画面から「サブビュー」を選び表示します。

サブビュー

サブビュー内の右下にフォルダーのマークがあるので、そこから先程保存した色ラフを選びましょう。すると、このように色ラフがサブビューに表示されます。

サブビュー

この機能の何が良いのかというと、「色ラフの色を直接吸えること」です。左下のスポイトマークをオンにしておくことで、サブビューから直接色をコピーすることができます。

わざわざ別画面で表示したりするより手軽なので、クリップスタジオを使っている人は試してみましょう。

線画を描く

やっと線画です。下塗りに合わせて、線を引いていきます。

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しのさん

正直線画は苦手なので、あまり言うことがないですね。

強いて言えば、後で描き足したり消したりするので、そんなちゃんとは描きません。よく見れば途切れてたり、ガタガタしてたりする程度に雑です。

というわけで描いたのがこちら。暗い部分は線が見えなかったので、一時的に透明度上げて色を薄くしてます。

線画

着彩する

いよいよ本格的に色塗りです。色ラフを見ながら、影を入れていきます。クリップスタジオを使っているなら、ここでも先程紹介した「サブビュー」が便利ですね。

僕は乗算で全体に影をいれずに、色ごとに個別で影を塗っていくタイプなのですごく時間がかかります。影をどんな色にするかは、全体の配色に合わせていますが、今回は紫強めですね。

塗りながら、一部レイヤー合成を「スクリーン」にして遠近感出したり、オレンジのオーバーレイかけて明るくしたりしてます。何かコツがあるわけでもなく適当にやってるので細かい説明は飛ばします。いつかなにかわかった時にちゃんと話すから許して…

というわけで、色々いじくった結果できたのがこちら。背景はほとんど白なので最後まで手を付けてません。

塗ったもの
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ばってん子

君なんかラフと違わない?

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しのさん

それな。今回の反省点の一つです。

背景を整えて完成

ここまで描いたらあとは背景と全体の色味を整えて完成です。

完成

雰囲気はイメージどおりになったので良かったかなと思う。あといつも頭身の低いキャラばっか描いてたので「自分はロリキャラしか描けないのでは…?」と思ってましたが、こういう綺麗系の絵も描くの楽しいってことに気付けたのは良かったですね。

しかし一方で反省点もあります…

  • 色ラフが雑すぎてあまり役に立ってないこと
  • 線画が浮いていること
  • 服のシワが適当なこと

などなど、細かいことを言えばもっとたくさんありますが、全部上げるときりがないのでこの辺にします。

特に、今回ダメだったのは色ラフを雑に描きすぎたことですね。

早く終わらせようという気持ちが焦らせ、髪の毛の流れや服の形を意識した配色ができてなかった気がします。そのせいで、実際に色を塗るまでにかなり形が変わってしまっていますね…

ラフに関しては、「どの程度描けばちゃんと完成するか?」がまだ良くわかってないので、次は構図と配色をちゃんと決めた上で完成まで進めてみようと思いました。

あと、もうずっと気になってることですが、服とか髪の毛の立体感と光の表現が下手だなと思うので、この辺は改善していきたいですね。今イラストを描きつつ新しい塗り方などを試しています。

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しのさん

というわけで終わりです。相変わらずアバウトな説明が多いのは、まだ「こういう描き方が良い」ということがわからず色々試しているからです。

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ばってん子

がんばって?

https://dot-launcher.com/wp-content/uploads/2020/04/IMG_0763-2.png
しのさん

がんばる。いつか動画とかでちゃんと説明できたらいいな。それではまた。

15 COMMENTS

匿名

イラストに統一感を出すにはどうすれば良いか悩んでたので参考になりました!

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藤依しの

ありがとうございます!
教えられることは少ないですが、もっとわかりやすく話せるようにこれからも更新していきたいと思います!

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匿名

服の下で見えなくなってる体が描けていない
下半身のポーズが謎
後ろ足(左脚)が長すぎる

やり直せ

返信する
藤依しの

ご指摘ありがとうございます。
今はまだ僕の技量不足により修正できないのが悲しいところです…

でもそのうち上達比較としてリメイクしてみるのはありですね!

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匿名

たとえ技術がある人でその指摘が正しいとしても、もうちょっと敬意をもってコメントすりゃーいいのに・・・
なんでそんなに偉そうに言えるんだ・・・
こんな優しいサイトで気分が悪くなるわ( ̄へ ̄|||)

私もこの娘は5頭身くらいの幼児体系(足みじかめ)のがより好みだけど、
全体的に清楚な雰囲気が出てて素敵ですね!黒い蝶のエフェクトも良い感じ。
元キャラを知らないし、まったくのオリキャラに見える・・・

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匿名

色ラフ時点ですでにそれっぽさが出ててすごいなと思うのですが、色を置く際のコツや気を付けていることなどあればご教授いただきたいです・・・
色塗りはメイキングを見て真似たりしているのですがどうもそれらしい着色が出来た例がなくて

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藤依しの

正直、僕も中々良い塗りができなくて困っているんですよね…
配色は単色を並べて見栄えを確認したり、良い配色パターンを真似すればどうにかなりますけど
そこから良い絵に仕上げるには、多分「色付きの絵を描いた経験」が圧倒的に足りてないんだと思ってます。

今は色々と練習絵を量産しているので、もし何かわかったらまた記事にしたいと思います。

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匿名

良いポーズ決めのコツってありますか…?
良ければ教えていただきたいです…

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藤依しの

コツかどうかはわかりませんが、僕は
・ポーズ集や写真、イラストなどのポーズを参考にする
・キャラクターの性格やシチュエーション、表現したい雰囲気にあったポーズを選ぶ
ことを心がけてます

僕のように画力が高くない人は骨格などおかしくなりがちですが、それでも完成されたポーズを参考にすれば多少は改善できますし、伝えたい雰囲気にあったポーズなら評価もされやすいと思いますね!

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今までワコムのドライバを入れてなくて筆圧で強弱をつけていませんでした今ドライバを入れて書いてみるとすごく難しいです書き方のコツがあったら教えてください

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藤依しの

筆圧に関しては製品によって差があるので、「筆圧曲線」の設定で色々いじってみると描き味が良くなるかもしれません。

また、設定とは少し違う話になりますが、ぶっちゃけ絵において「筆圧」「強弱」「描画補正」みたいな機能はそこまで重要でもないです。
無理に筆圧を強めに設定するより、弱めにしておいて「何度も線を引いたり消したりして意図的に強弱を作る」「ベタ塗りで塗ってからぼかしや水彩筆などを使う」という方法でメリハリを出したほうが上手くいくことが多いですね。

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構図決まらねえさん

構図ってどうやって考えているんですか。
毎回構図決めでめちゃくちゃ迷うので
もし良かったら教えていただけませんか。

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藤依しの

自分の描きたいイメージに近い絵を探してそこからキャラにあったポーズや背景を考えていくことが多いです。
あとはもういきなり色塗りからはじめて、色の配置がいい感じになるまでいじりまわすこともありますね(笑

あまり自分なりのノウハウがないので、どうすればいい感じに見えるか考えながら描いてます。

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