※この記事はnoteに投稿した記事と同じものになります。
絵描きの皆さんこんにちは。
突然ですが、絵を学ぶことにおいて「独学と講師がいる場合の一番大きな違い」はなんだかわかりますか?
正解は「答えを教えてくれる存在がいるかどうか」です。
たとえばデッサンの場合、デッサン教室に通えば「ここが違う」「こう描いてみなさい」みたいに教えてくれます。一方、独学の場合はそれがありません。自分でどこが間違っているか、どう描けばいいかを考える必要があります…
僕は独学で絵を上達させるには「写真を模写して、物の構造を正確に見れるようにする」のが一番簡単で効果のある練習だと思っていますが、これだって「正確に見れているかどうか」を考えるのは常に自分です。答えを教えてくれる人が周りにいないわけですからね。
では講師のいない状態で「正確に見れているかどうか」を確認するためにはどうすればいいかというと、自分で「答え」を用意するしかありません。
テストだって、問題を解いたあとそれが合っているかどうか確認するには「答え」が必要です。テストの正答率を上げるには、ただ問題を解くだけじゃダメなのです。解いた問題を答え合わせして、正しい解き方を知らなきゃいけないのです。
受験を乗り切った人なら、誰でもやってきた当たり前の勉強法です。
ところが、意外とこれと同じことを「絵」でやってる人って少ないんですね。
自分で描いた模写に赤ペンで修正したこととかあります? デッサンやったあと、自分でダメ出しして、それを踏まえつつもう一度同じ物をデッサンしたりします?
ほとんどの人はやってません。僕はやりませんでした。なんででしょうね? 「とにかく描いてれば勝手に上達する」みたいな甘い考えがあったのかもしれない…
しかし、これは勉強に置き換えると完全に「成長しない人のやり方」です… つまり、独学で上手くいかない人が多いのは「答え合わせ」をせず感覚で描こうとしてしまうのが原因なんじゃないかと思うわけです。
「絵と勉強を一緒にするな」と思うかもしれない。でも、デッサン教室とか通ってる人はこれと同じことを「講師に教わる」という形でやってるんですよ。もし独学でそれと同じくらいの実力を身に付けたいなら、そういうやり方に変えなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。
添削や指導サービスを利用するのと違って、お金も手間もかかりませんし、これから独学で絵を学ぼうと考えてる人は「答え合わせ」という学習方法を覚えておくと良いかもしれません。
一応、僕は今そういうやり方に変えました。これは一度模写をしたあと、元の写真をトレースして、変に見える部分を比較修正したものです。
ちなみに「答え合わせ」という方法は模写やデッサンに限った話じゃなく、オリジナルのイラストを描く際にも応用できます。多くのプロが「真似しろ」というのは言い換えれば「自分の中に答えを用意しておけ」ということだと思います。
ただ不思議なことに模写やデッサンみたいな「基礎練習」に関しては「とにかくたくさん描け」みたいな教え方が多いんですよね… 今回は、それよりもちゃんと「答え合わせ」したほうが良くない? という話でした。